万策尽きた末の珍戦法?!(元関脇・出羽錦)
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立ち合いの奇襲戦法のひとつに「猫だまし」がある。相手の目の前で両手をパチンとたたき、相手が驚いて目をつぶったすきに有利な体勢に持ち込む技のことである。最近では体の小さな舞の海が多用していた。
「猫だまし」で有名な取組といえば、昭和37年十一月場所の出羽錦と大鵬の一戦が挙げられる。この一番、立ち合いに大鵬が踏み込むと出羽錦はとっさに「猫だまし」をみせた。大鵬一瞬ハッとしたが、すぐに落ち着きを取り戻し、両廻しを引き付けて必死の抵抗をみせる出羽錦を寄り切りに下した。
取組後、大鵬は「横綱に対してあの手は失礼だ!」とカンカン。一方、出羽錦は「猫だましがきかなかったね」とニヤニヤ。実に対照的なコメントを残した。
「猫だまし」は花相撲の初切りで良く使われる手。若いころ初切りをしていた出羽錦ならではの珍戦法といえた。万策尽きた出羽錦がせめて一瞬でも横綱を冷やりとさせたいという思いで用いた「猫だまし」。当時の大鵬はそれほど強かったということである。
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